初めまして。私は昭和27年創業の土木会社で50年間ダンプによる土砂運搬に携わり、その間20年間会社の代表を務めました。現在はダンプやトレーラーの車体の研究をしております。
過去にはアルミボデーダンプを発案し、日野自動車、いすゞ自動車で採用され、全国に普及しました。
積載量を稼ぐ為に、車体重量を軽くしました。
4t車のキャビンをワイドにして大型ダンプのサイズにし、フレームを30cm短くして軽くしました。
小回りが利くようになりました。
全長が短い(ホイールベースが短い)ので、小回りが利きます。
さらにアルミボデーにより車体が軽いので、積載量を増やすことができます。
総重量が20tを超える大型ダンプは道路を傷めるために、やたらと走れません。
ロングダンプ | 都市型ダンプ | |
占有道路幅 | 5.4m | 4.8m |
最適軸距離 | 5,520mm | 4,400mm |
連結最速軸距離 | 5,520mm | 4,400mm |
全長 | 9,140mm | 6,990mm |
最小回転半径 | 7,800mm | 6,600mm |
旋回角度 | 90度 | 90度 |
年度 | ダンプカー | 積載量 | 排気量 | 馬力 | 特徴 |
昭和33年頃 | TX ダンプカー | 5t500kg | 6,100cc | 118馬力 | シングルデフ |
37年 | TX6気筒 ダンプカー | 6t | 6,100cc | 125馬力 | シングルデフ |
39年 | TD6気筒 ダンプカー | 8t | 10,200cc | 180馬力 | シングルデフ |
39年 東京オリンピック開催 | TM6気筒 ダンプカー | 11t | 11,000cc | 220馬力 | ダブルデフ |
42年 | TM6気筒 ダンプカー | 11t | 12,000cc | 220馬力 | ダブルデフ |
45年 | TMK6気筒 ダンプカー | 10t800kg | 12,000cc | 240馬力 | ダブルデフ |
47年 | ニューパワーZ6気筒 ダンプカー | 10t800kg | 12,000cc | 260馬力 | ダブルデフ |
48年 | V10SRZ ダンプカー | 10t500kg | 12,500cc | 295馬力 | ダブルデフ |
49年 | V10SRZSS ダンプカー | 10t500kg | 12,500cc | 320馬力 | ダブルデフ |
51年 ロッキード事件 田中角栄 | |||||
53年 | V12P ダンプカー | 9t500kg | 14,900cc | 355馬力 | ダブルデフ |
55年 | V12P ダンプカー | 9t500kg | 18,000cc | 370馬力 | ダブルデフ |
平成元年 海部内閣 | ダブルデフ | ||||
6年 | V8日野自動車 アルミダンプカー | 10t100kg | 16,000cc | 310馬力 | 原住が開発した都市型ダンプカー |
7年 | V8いすゞ ギガアルミダンプカー | 11t | 15,201cc | 285馬力 | 原住が開発した都市型ダンプカー |
8年 | V8いすゞ ギガアルミダンプカー | 11t400kg | 15,201cc | 285馬力 | 原住が開発した都市型ダンプカー |
13年 | いすゞCYZ ギガアルミダンプカー | 12t | 9,839cc | 340馬力 | 原住が開発した都市型ダンプカー |
15年 | 日野GK スチールダンプカー | 12t | 7,684cc | 270馬力 |
原住が開発した都市型ダンプカー スウェーデン鋼 インタークーラーターボ |
16年 | いすゞFVZ スチールダンプカー | 12t | 7,790cc | 280馬力 |
原住が開発した都市型ダンプカー スウェーデン鋼 インタークーラーターボ |
18年 | いすゞCYZ ギガスチールダンプカー | 12t | 9,839cc | 330馬力 |
原住が開発した都市型ダンプカー スウェーデン鋼 インタークーラーターボ |
積載量が減ってきてエンジンの馬力が増えました。
土砂の積み込み時間を短縮するには、13tの油圧ショベルを20tの油圧ショベルに変える事です。
積載量が9t300㎏の大型ダンプカーをアルミボディーの12tのものに変えるとドライバーの賃金が出ます。
各現場に言いたい事は土砂運搬工事の大型ダンプカーは台数計算では無く、何トン運んだかのトン数計算です。
1㎥あたりのトン数表 | |||
品名 | 乾燥しているもの | 普通のもの | 水分が多いもの |
黒土 | 0.8~0.9 | 0.9~1.0 | 1.2~1.4 |
ローム | 1.0~1.2 | 1.2~1.4 | 1.4~1.6 |
砂 | 1.4~1.6 | 1.6~1.8 | 1.8~2.0 |
普通土 | 1.6~1.7 | 1.7~1.8 | 1.9~2.1 |
シルト | 1.7~1.8 | 1.8~1.9 | 2.0~2.1 |
粘土 | 1.8~1.9 | 1.9~2.0 | 2.1~2.2 |
砕石 | 1.6~1.8 | 1.7~1.8 | 1.8~1.9 |
コンクリート | 2.3 | ||
アスファルト | 2.4 | ||
セメント | 3 | ||
鋳鉄 | 7.2 |
私が平成6年に考えた大型の軽量ダンプカー
車体が3t軽くなり、積載量が3t多く積めるために12t積みになりました。
普通12t積みだと道路使用許可が必要ですが、このダンプカーは許可は無く走れて、全体が一回り小さくコンパクトになりました。
カーブが小さく曲がれて安全です。
減ったタイヤのカスは側溝に流れ下水に行き、海を汚します。
急ブレーキ、急ハンドルなしで
私たちの道路が傷みません。
積荷が3t増えるから、ドライバーの賃金が上っても、利益は増えます。
ダンプカーは、車重と積載量と1人あたり55kgの人間を合わせてトータル19t990kgと決まっています。
それ以上になると、県道、市道、村道は警察の許可が必要となります。
積載重量を少しでも増やすために考案したアルミボディーのダンプカーを1994年日野自動車が採用しました。
HINODE 9
September No.460 1995 より
日野に続き、いすゞもアルミボディーランプを採用しました。
輸送リーダー VOL104 April 1998 より
大型ダンプカーの積載量が増えると車体のホイールベースが長くなり、曲がる角度が大きくなります。
このダンプカーの場合、積載量が12tなので、道路通行許可が必要です。
総重量19t999kgの大型ダンプカー。積載量は9t300kg積です。このダンプカーは許認可が必要ありません。
私が考案した総重量19t999kgの都市型ダンプ。積載量は12tです。許認可が必要ありません。
アルミボディのダンプカーによって、燃料効率アップと共に、環境保全を実現化した原住土木の取り組みが業界各誌に特集されました。
全日本トラック協会発行 環境基本行動計画 2003.1 より
アルミは材料費が高く費用が掛かるので、スェーデン鋼(スチール製)のボディを新たに開発しました。
週間建設リサーチ 平成15年11月29日 第1868号より
川崎商工会議所発行「かいぎしょ」 No.563/DEC 2004年12月号 より
新明和工業株式会社発行 コマーシャルモーター 2000年2月号
原住の経歴 | |
原住 中学3年 | 昭和35年 50ccバイク |
原住 16歳 | 昭和36年 3輪免許 |
原住 18歳 | 昭和38年 普通・大型 |
原住 20歳 | 昭和40年 ブルドーザー |
大型トレーラー |